## この記事でわかること
- 不在中の自宅に差押えが入ったあと、僕が実際にどんな行動を取ったか
- 「同居人の物」「仕事道具」を取り戻すために用意した書類と、市役所とのやりとりの流れ
- 返ってきた物/返ってこなかった物から見えた、「現実的にどこまでできるのか」のライン
今まさに同じ状況にいる人が、今日からできる最初の3ステップを書いています。
※この記事は、筆者の実体験をもとにした記録であり、法律の一般的な解説や個別のアドバイスではありません。制度や対応は自治体・状況によって異なるため、詳細は必ず専門家や担当窓口に確認してください。
差し押さえ当日、僕がまずやったこと
差し押さえに気づいた当日、僕がやったことは大きくこの3つです。
- 何がなくなったのか把握する
- 法律上、取り返せそうな物かどうかを調べる
- 取り戻すための書類を作る
この3つを徹底的にやった結果、差し押さえされた物の半分以上を取り戻すことができました。
この記事では「自宅に不在のあいだに家に入られて、家財を差し押さえされた」ケースでの話を書きます。
銀行口座や給料の差し押さえについては、また別の記事で詳しく書いています。
- [[【実録】銀行口座を差押えられたときのお金の行方と、今からできる3つの対策]]
- [[給料を4分の1差押えられていた会社員時代【実録】手取り・会社バレ・生活の変化]]
また、差し押さえ当日の様子そのものについては、こちらに詳しく書いています。
- [[不在の自宅に差押えが入った日のこと【実録】家にいないのにどうやって入ってきたのか]]
ここでは、そこから「どうやって取り返そうと動いたか」を中心に書いていきます。
返還を求める前に調べた「差押禁止財産」と「第三者所有財産」
これまでにも、僕はすでに銀行口座や給料の差し押さえを経験していました。
そのときに市役所の職員から聞いていたのは、
「いったん差し押さえたお金は、原則として戻ってこない」
ということです。
だから正直、「差し押さえられた物は基本戻らないもの」と思っていました。
ただ、今回のケースには引っかかっていたポイントが2つあります。
- 同居人の物まで持っていかれている
- 仕事で使う道具(カメラやマイク)まで持っていかれている
そこで僕は、
「この2つに関してだけは、法律上“差し押さえ禁止”になるんじゃないか?」
と思い、差押禁止財産について改めて調べることにしました。
日本の法律には、国税徴収法という法律があり、その中に「差し押さえてはいけない財産」が定められています(※ここでは僕が自分で調べた範囲のざっくりした要約です。詳しい法解釈は専門家に確認してください)。
主な差押禁止財産のイメージはこんな感じです。
- 生活に必要な一定額の現金
- 生活に必要な範囲の現金(上限額の目安が定められている)
- 生活必需品・仕事に必要な道具
- 衣服、寝具、家具、台所用品、当面の食料や燃料
- 職人・技術者などが仕事で使うために最低限必要な道具
- 第三者(他人)の所有物
- そもそも滞納者本人のものではない財産
ざっくり言うと、
- 生活に絶対必要なもの
- 仕事で収入を得るのに最低限必要なもの
- そもそも本人の物ではないもの(第三者所有財産)
は、差し押さえの対象から外れる、という考え方です。
今回持ち去られた物の多くが、
- 仕事上どうしても必要なもの
- 明らかに同居人の所有物
だったので、
「このルールに当てはめられるはずだ」
「証拠をきっちり揃えて持っていけば、取り返せる可能性はある」
と考えました。
そこで、返還請求用の書類と証拠集めに全振りすることにしました。
返還請求のために準備した書類と証拠
差し押さえがあったのは金曜日。
しかも、その次の月曜日は祝日で3連休でした。
- 早く取り返したい
- そもそも本当に戻ってくるのか不安
この2つが頭の中をぐるぐる回っていて、正直ほとんど眠れませんでした。
でも、グルグル考えているだけでは何も変わらないので、連休のあいだに書類を全部揃えてしまうと決めました。
僕が用意したのは、主にこのあたりです。
1. 同居人の所有物だと示すための証拠
- ネットショップの購入履歴(メールに残っていた注文情報)
- クレジットカードの利用明細(名義が同居人になっているもの)
- 保証書や箱に書かれている購入日・店舗情報
差し押さえされた物の多くはネットで購入していたものだったので、
メールボックスをひたすら掘って、該当の注文メールを見つけてはプリントアウトしていきました。
もし店頭で買った物なら、
- レシート
- 保証書
- 会員カードの購入履歴
などが証拠になるはずです。
僕は基本的にレシートを残さないタイプなので、
「ネット購入が多かったこと」は、このときばかりは助かりました。
2. 僕の仕事道具だと示すための証拠
- 僕の仕事の内容が分かるサイトやSNS
- 実際に撮影に使っている様子が分かる動画や写真
- 機材の貸し借りについて書かれたメール
僕の場合、差し押さえられた中に借り物の機材も含まれていました。
- 「誰から、何を、どのような条件で借りていたのか」
を示すメールのやり取りも残っていたので、その内容もプリントアウト。
ここで大事なのは、自分で作ったメモではなく、
- クレジットカード会社
- ショップ(ECサイト)
- 銀行
など、第三者が発行した証拠をできる限り揃えることです。
- カード名義
- 購入日時
- 注文番号
- 金額
こういった情報がきっちり書かれている書類を、とにかく集めていきました。
仕事道具は差し押さえ解除できないと言われた
連休明けの火曜日。
朝9時、開庁と同時に市役所へ電話をかけました。
差し押さえ調書に記載されていた担当部署と担当者名あてに電話をします。
僕が名乗ると、向こうもすぐに分かったようで、
「今回、自宅に入らせていただき、家財を差し押さえました。
これから競売にかけて、その売却代金を税金や国民健康保険料に充てることになります。」
という説明からスタートしました。
そこから、こちらの要望を伝えます。
- 他人(同居人)の財産は差し押さえ禁止ではないのか
- 仕事で絶対に必要な財産も差し押さえ禁止ではないのか
僕の主張はこの2点です。
同居人の物についての回答
同居人の物についての回答は、まだ希望がありました。
「それが本当に第三者(同居人)の所有物だと証明できれば、
稟議のうえで差し押さえを解除できる可能性があります。
ただし、ここで100%とは言えません。」
ざっくりいうと、
- 所有者が同居人であることが書類で証明できれば
→ 返還される可能性は十分ある
という反応でした。
仕事道具についての回答(ここが地獄)
問題は仕事道具のほうです。
差し押さえられた仕事道具は、主にこのあたり。
- カメラ(一眼レフ)
- マイク 2点
僕は動画撮影の仕事をしているので、カメラとマイクがないと仕事が成立しません。
だから当然、
「仕事上どうしても必要な道具だから、差し押さえ禁止財産として戻してもらえるはず」
と思っていました。
でも担当者の答えはこうでした。
「動画はスマホでも撮影できますよね。
そのため、最低限の仕事に必要な道具には該当しません。
カメラとマイクについて差し押さえを解除することはできません。」
この一点張りです。
正直、ここが一番きつかったです。
- 仕事としてお金をいただいて撮影するのに、スマホだけでは話にならないこと
- 商品撮影や案件のクオリティ的に、スマホでは受けられない仕事があること
を何度も説明しましたが、結論は変わりませんでした。
「スマホでも撮れる以上、“最低限の仕事道具”には当たらない」
というロジックで、カメラとマイクの差し押さえ解除は不可能という結論です。
この瞬間、本当に絶望しました。
- 「これからどうやって仕事をしていけばいいのか」
- 「どうやって滞納分を返していけばいいのか」
頭の中でずっと同じ問いがぐるぐる回っていました。
実際に市役所へ行って説明したときの流れ
電話のあと、そのまま市役所に行くことにしました。
他人の財産(同居人の物)について
まずは、同居人の財産の差し押さえ解除についてです。
- クレジットカードの明細
- ネットショップの注文履歴
- 保証書や箱など
を見せて、
「これは同居人が自分のお金で購入したもので、僕の所有物ではありません」
と説明しました。
この点については、想像していたよりもスムーズに話が進みました。
- 所有者が同居人であることが客観的な書類で確認できたもの
については、差し押さえを解除して返還してもらえることになりました。
返済方法の条件を提示される
そのあとの流れが、また重い話です。
市役所側から提示された条件は、ほぼ3択でした。
- 今すぐ全額を一括返済する
- 保証人を立てて、分割返済の計画を立てる
- 一括も保証人付き分割も無理なら、差し押さえは継続する
さらに職員の説明としては、
- これまで何度も分納の約束をしては守れていないこと
- その結果として、今回「自宅差し押さえ」という強い手段に踏み切っていること
が強調されました。
つまり、
「本来なら、もう分割返済の相談は受けないケースです」
という前提のうえでの話です。
でも、僕には1択しかなかった
ここで冷静に考えたとき、僕に残された選択肢は、ほぼ1つしかありませんでした。
- 一括返済 → そもそもそんなお金はない
- 新たに借金して返す → すでにブラックなので現実的ではない
- 保証人付きの分割 → 保証人を裏切るリスクを考えたら選べない
そうなると、残るのは
「差し押さえを受け入れつつ、分割返済を続けていく」
という選択です。
正直なところ、僕の家にはもう、カメラとマイク以外は「取られてもそこまで困らない物」しか残っていません。
- だったら、これ以上誰かを巻き込むくらいなら、
自分が差し押さえを受け入れて、少しずつ返していくしかない
という、半分は開き直りのような覚悟でした。
差し押さえを受け入れる代わりに、僕が決めたこと
とはいえ、「もう諦めた」というわけではありません。
僕がそのとき心の中で決めたのは、
「差し押さえは覚悟しつつも、それを“ずっと続けられる状態”にはしない」
ということです。
そのために、市役所の職員との会話の中で、自分なりに作戦を立てました。
- 毎月、市役所に行って顔を出す
- 自分から分納計画を作って提出する
- その分納計画をできる限り守る
- 守れなかった月があれば、放置せずに謝りに行き、計画を修正してもらう
この4つだけは、絶対にやろうと決めました。
実際、このあともいろいろありましたが、
結果的には、その後の差し押さえは止まりました。
詳しくは別の記事に書いています。
- [[市役所の差し押さえを止める方法]]
もちろん、市役所の職員も「ただ差し押さえがしたくてしている」わけではありません。
- 僕が本来払うべきものを長年放置してきた
- その結果として、差し押さえという手段に踏み切らざるを得なかった
というのは事実です。
だからこそ、
「この人は本気で返そうとしている」
「ちゃんと向き合おうとしている」
と行動で示すことが、差し押さえを止める条件なんだと、今は思っています。
今、同じ状況にいるかもしれないあなたへ
もしこの記事を読んでいるあなたが、
- すでに差し押さえを受けてしまった
- もしくは、その一歩手前まで来ていて眠れない
という状態なら、まずは完璧じゃなくていいので、
- 家に届いている封筒や書類を、一箇所に全部集める
- 何が差し押さえられたのか、ざっくりでいいのでリストにする
- 「これは本当に自分の物か?」「同居人の物じゃないか?」を一度見直す
この3つから始めてみてほしいです。
そして、僕のケースはあくまで一例です。
自治体や状況によって対応は違うし、法律の細かい解釈は専門家の領域です。
「自分のケースだとどうなるのか?」
を知りたいときは、早めに専門家に相談してほしい。
僕自身、「もっと早く相談しておけば、ここまでこじれなかったな」と思うポイントがいくつもあります。
そのあたりは、また別の記事でまとめていきます。

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