自己破産の手続きは「想像しているよりは」簡単です。
でも、何もしなくていいわけでもないし、正直かなり面倒でもあります。
僕は一度、自己破産の手続きを始めておきながら、途中で挫折して弁護士さんに見放されました。
今振り返ると、
あのときちゃんと自己破産を完了させておけば、今もっと普通の人生を送れてたんじゃないか
と本気で思います。
例えば、
- 自動車ローンを組んで、もうちょっとまともな車に乗れていたかもしれない
- 場合によっては住宅ローンだって組めていたかもしれない
- 普通にクレジットカードを持って、もっと身軽にビジネスができていたかもしれない
だからこの記事では、
- 僕が実際にやった「破産手続きの流れ」
- 途中で挫折するくらい面倒だったポイント(出費の制限・書類・お金)
- それでも「やる価値がある」と今の僕が思っている理由
を、できるだけ具体的に書いておこうと思います。
破産に至るまで
当時、有名だったアディーレ法律事務所(今もありますよね、おそらく)に連絡を取り、自己破産の手続きをお願いすることにしました。
「自分、破産するんだな」と認めた瞬間に、ようやく
「あ、今の自分ってかなりヤバいところまで来てるんだ」
と実感しました。
ネットから相談の日程を予約して、指定された日に法律事務所へ。
もちろん、法律事務所なんて初めてです(普通そうですよね)。
最初からいきなり弁護士が出てくるわけではなく、
まずは 事務スタッフさん(パラリーガル) が話を聞いてくれました。
大手の法律事務所は、法律で「弁護士しかやってはいけない仕事」とそれ以外が分かれていて、
それ以外の部分は基本的に事務スタッフが担当している、という説明も受けました。
そこからは、かなりシステマチックに破産手続きの説明が進みます。
- どういう経緯で借金が増えていったのか
- 今の収入はいくらか
- 家賃・光熱費・通信費など、毎月どれくらいお金が出ていっているか
- どんなカードやローンを、いくつ持っているか
こういうことを、淡々と、でも結構細かく聞かれます。
そのうえで、
- ギャンブルや浪費の部分がどれくらいあるか
- 生活の中で「削れる出費」はどこか
- 破産が終わるまでにやめておくべき契約(サブスクなど)
を一つずつチェックされて、
「ここは破産が終わるまでは解約してくださいね」
といった指示を受けました。
同時に、
- 毎月の家計の収支をまとめた紙(家計簿)を出すこと
- 通帳や給与明細などをコピーして、定期的に提出すること
も求められます。
この時点で、
「うわ、思ってたより全然めんどくさいな……」
というのが正直な感想でした。
破産手続き中に求められる「書類」と「お金」
必要書類(ざっくり)
裁判所に自己破産を申し立てるときは、ざっくりいうとこんな書類が必要になります。
- 申立書
- 陳述書(どうして返せなくなったかの経緯を書くやつ)
- 債権者一覧表(どこからいくら借りているかのリスト)
- 住民票(場合によっては戸籍謄本)
- 家計の収支がわかる書面(家計簿・家計表など)
- すべての預金口座の通帳コピー
- 財産目録(持っている財産を一覧にしたもの)
- その他、生命保険・車・不動産などがある人はそれぞれの資料
実際には、裁判所ごとに「この書式を使ってください」というフォーマットが決まっていて、
それに沿ってひたすら書いていく感じです。
この 書類集めと記入 が、とにかく地味にしんどい。
ここで心が折れそうになる人は、僕以外にも絶対いると思います。
手続きにかかるお金(目安)
自己破産にかかる費用は、
- どの弁護士事務所に頼むか
- 事件の内容(同時廃止か、管財事件か)
によってかなり変わりますが、
個人の自己破産だと、弁護士費用は総額でだいたい50〜80万円くらいが一つの目安 と言われています。
これに加えて、
- 裁判所に納める予納金
- 郵便代・交通費などの実費
が数万円〜十数万円ほどかかることもあります。
数字だけ見ると、正直かなり重いです。
「借金で苦しいのに、破産するにもお金がいるのかよ……」
と僕も思いました。
ただここで大事なのは、
- 一括で払えと言われるわけではない こと
- トータルで見れば、借金をダラダラ払い続けるより圧倒的に安くつくケースが多い こと
です。
多くの法律事務所は、
- 着手金を分割OKにしてくれたり
- 法テラス経由で毎月◯千円〜◯万円の「立て替え分割」にしてくれたり
と、「今すぐ全額用意できない人」を前提に仕組みが作られています。
例えば、
- 300万円・500万円・1000万円といった借金を
- 利息を払い続けながら何年も引きずるのか
それとも、
- 50〜80万円前後を分割で支払いながら
- 数ヶ月〜1年くらいで「借金そのものをゼロにしてしまう」のか
冷静に比べると、これは
「高い出費」じゃなくて、これ以上人生を削られないための必要経費
に近いな、と今は思っています。
もちろん、ゼロ円ではできません。
でも、
- 毎月の利息だけで消えていくお金
- 督促のストレスで削られているメンタル
を考えると、
“借金にこれ以上人生を食われないための最後の投資”
として割り切ってしまったほうが、トータルでは確実にマシです。
ここで、もうひとつ冷静に考えたいのが「今、このまま返済を続けた場合に出ていくお金」です。
たとえば、今のあなたが毎月3万円を何とかやりくりして返済しているとします。
「もうちょっと頑張ればなんとかなるかも」と思って、そこからさらに半年だけ粘ったとしたら、
– 3万円 × 6ヶ月 = **18万円**
を返済することになります。
でも、もし最終的に自己破産するのであれば、その18万円は**本来払わなくてよかったお金**です。
将来どうせ免責されるはずだった借金に、最後の力を振り絞ってお金を注ぎ込んでいるだけ、ということになります。
だったら、そのお金を**弁護士費用に回して、半年早くリセットした方がよっぽど合理的**だと、今の僕は思っています。
「今破産せずに半年返済を続ける」という選択は、
- 借金は減らない
- 生活も苦しいまま
- しかも、その半年分の返済は将来の自分から見たら“ほぼ無駄”
という、かなりコスパの悪い状態です。
もちろん、「絶対に今すぐ破産しろ」という話ではないですが、
どうせどこかのタイミングで自己破産するつもりなら、
今日が一番早い日
という事実だけは、頭の片隅に置いておいてほしいなと思います。
破産手続き中に感じたストレス
破産の手続き中に、僕が特にしんどかったのはこのあたりです。
1. 出費を細かくチェックされること
- ジム代
- 不要なサブスク
- 明らかに贅沢な外食・飲み代
- ギャンブル・投機的な支出
こういうものは、基本的に
「破産が終わるまではやめましょう」
と言われます。
ギャンブルや浪費は、法律上「免責不許可事由」に当たる可能性があるので、
破産の最中に続けるのはかなり危険行為 です。
一方で、
- 日常生活レベルの外食
- タバコなどの嗜好品(度を越していない範囲)
- 必要最低限の交際費
みたいなものまで、全部NGというわけではありません。
とはいえ、
「この支出は生活に本当に必要なのか?」
を毎回見直されるのは、
自分のダメさとずっと向き合い続ける作業 なので、精神的にはかなり削られました。
2. とにかく書類・報告が多い
- 家計簿を毎月つける
- 通帳のコピーをまとめる
- 債権者一覧を最新の状態に更新する
- 裁判所や弁護士からの質問に答える書類を書く
こういう「こまごました事務作業」がとにかく多いです。
事務仕事が苦手な人間にとっては、
「破産そのものより、破産のための事務作業のほうがツラい」 と感じるレベルでした。
督促の電話が鳴り止んだ日
とはいえ、一つだけ 劇的にラクになった瞬間 があります。
それが、
弁護士に依頼したあと、督促の電話と手紙がピタッと止んだとき
です。
弁護士事務所に自己破産の依頼をすると、その日のうちか、遅くとも数日以内に、
すべての債権者(カード会社・ローン会社・消費者金融など)へ通知が送られます。
「これからは本人ではなく、弁護士を通してください」
という連絡が行くので、
- 直接、家やスマホに電話をかけてくる
- 催促の手紙をバンバン送りつけてくる
といったことは、そこでストップします。
金融業者は金融庁の監督下にあって、取り立て方法にも細かいルールがあります。
違反すると営業停止などのリスクがあるので、
弁護士に依頼したあとの「取り立てストップ」は、かなり徹底されています。
正確なタイミングは1週間以内くらいだったと思いますが、
電話が鳴らない夜がこんなに静かで、こんなに楽なのかと、心底びっくりしました。
「ああ、自分は毎日このストレスにさらされてたんだな」
と、ようやく自覚しました。
この瞬間だけは心から 「もっと早く相談すればよかった」 と思いました。
破産手続きが面倒で挫折した話
…が、ここからが僕の悪いところです。
僕は昔から、
- 事務作業をきちんと続けること
- 誰かに行動を管理されること
が本当にダメです。
「嫌い」というレベルを通り越して、生理的に拒否反応が出るタイプ です。
なので、最初のうちは真面目に出していた書類も、
だんだんと提出が遅れ始め、
ついには 弁護士事務所からの電話やメールさえ無視するようになってしまいました。
- 「今月分の入金が確認できていません」
- 「この書類を◯日までにご用意ください」
こういった連絡を、見なかったことにし始めたんです。
結果として、僕は 自己破産の途中で「挫折」しました。
- 弁護士費用も、結局一度も払い切れなかった
- 何ヶ月か放置したあと、「委任関係を解除します」という通知が届いた
つまり、
「あなたの代理人を続けることができません」
と正式に切られた、ということです。
ここから先は、また元の世界。
- 督促の電話が再開
- 手紙もまた届き始める
- でも怖くて電話に出られない、封筒を開けられない
というループに戻りました。
最初は怖くて仕方なかったのに、人間って本当に慣れるもので、
そのうち 「電話に出ない生活が普通」 になっていきました。
日本では「借金の取り立て」が意外と弱いという現実
良いことなのか悪いことなのか分かりませんが、
日本では、借金の取り立てはかなり規制されています。
- サラ金時代のような「家まで怒鳴り込みに来る」「夜中に何度も電話」は法律で禁止
- 自宅へ勝手に上がり込んで物を持っていくこともできない
- 銀行口座を差し押さえるには、その口座情報を把握している必要がある
一方で、
- 税金や国民健康保険料など「国・自治体への滞納」は、強制執行がかなり強い
- 銀行口座の差押え
- 自宅への立ち入り・家財の差押え など
つまり、
- 「税金系」は本気で取り立てにくる
- 「民間の借金」は法律上できることが限られている
という構図になっています。
僕は、
- 銀行口座を新しく作って、債権者には伝えない
- 転職しても、勤務先をローン会社に知らせない
などの行動を取っていたため、実質的には取り立てられずに10年放置 という状態になりました。
これは「こうすれば踏み倒せますよ」という話ではなくて、
そんな状態に自分を放置して、僕は めちゃくちゃ大事な10年を捨てた
という話です。
10年放置した結果どうなったかは、別の記事にまとめています。
- [[借金は返さなくても生きていける 督促を10年無視し続けるとどうなる?]]
興味があれば、そちらも読んでみてください。
「壮絶」というよりは、「日本の仕組みってこうなんだな…」と冷めた気持ちになるかもしれません。
それでも「破産はちゃんとしたほうがいい」と思う理由
ここまで読むと、
「挫折しても10年放置しても、なんだかんだ生きていけちゃうなら、別に破産しなくてもいいんじゃない?」
と感じる人もいるかもしれません。
でも、今の僕は 真逆 のことを思っています。
「あのときちゃんと自己破産しておけば、今もっとまともな人生だったな」
と。
理由はシンプルで、
- 自己破産から おおむね5〜10年 経てば、多くの場合クレジットカードや各種ローンの審査に再チャレンジできるようになる(もちろんケースバイケースですが)
- 一方、「グレーな放置状態」を続けると、いつまで経っても信用情報がグチャグチャのまま
だからです。
僕は、
- 自己破産に踏み切れなかった10年+
- 手続きから逃げ続けた数年
を足して、結果として「一番損なルート」を歩いてしまった と感じています。
迷っているなら、とりあえず「相談だけ」でもしてほしい
今これを読んでいるあなたが、
- すでに督促の電話がしんどい
- 税金や国保も含めて、どう考えても返せる見込みがない
- 自己破産しようかどうしようか、毎日ぐるぐる考えている
という状態なら、
今日やってほしいのは「完璧な決断」じゃなくて、たった1アクションだけ です。
法律事務所か法テラスに「相談の問い合わせ」をしてみること。
相談したからといって、その場で必ず破産を決めなきゃいけないわけではありません。
- 相談して現状を整理する
- 「自己破産以外の選択肢」があるかどうかも含めて聞いてみる
- それでも嫌なら、その事務所と契約しなければ元どおり
それくらいの気持ちで大丈夫です。
僕は一度、自己破産の手続きを始めておきながら挫折しました。
でも今は、
「今からでももう一度ちゃんとやろう」
と思っています。
どうせ僕らは、もう まともな意味で“借金に頼る生活”には戻れない ところまで来ています。
だったら、
- 中途半端に逃げ続けるより
- さっさと一度リセットして
- 5年後・10年後の自分を楽にしてあげる
ほうが、よっぽどコスパがいい。
この記事が、「ちゃんと終わらせる側」に一歩進むきっかけになってくれたら嬉しいです。

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